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来島者数の記録更新セレモニーでは、もみじ饅頭や島内の水族館にいるスナメリのぬいぐるみなどが贈られた=2024年12月15日午後2時50分、広島県廿日市市宮島町、山中由睦撮影
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 世界遺産・厳島神社がある宮島(広島県廿日市市)の年間来島者数が15日、記録が残る1964年以降で過去最多となった。宮島観光協会によると、昨年あったG7広島サミットや円安で訪日外国人客が増えており、今後もしばらく増加傾向は続くとみている。

 日本三景の一つに数えられる宮島の年間来島者数は、2012年に400万人を突破し、2019年に過去最多の465万7343人を記録。その後、コロナ禍で200万人を切ったが、昨年5月の広島サミットで知名度が上がり、昨年は465万2252人まで回復した。

 市によると、今年の外国人観光客は約60万人で昨年より3割ほど増えた。宮島観光協会の担当者は「サミット効果が続き、円安の追い風もある。好条件がそろった」と言う。新記録達成のセレモニーが島内であったこの日、東京から夫と来た国田綾乃さん(48)は「厳島神社が目的。フェリーで10分で渡れるアクセスの良さも魅力」と話した。

 来島者増加の一方で、オーバーツーリズム(観光公害)が懸念される。市によると、対岸のJR宮島口駅周辺では、5キロ超の交通渋滞が発生した日もあったという。

 市は昨年10月に入島者1人につき100円を徴収する「宮島訪問税」を導入。宮島に渡るフェリー料金に上乗せし、今年度は約3億5千万円の収入を見込む。無料シャトルバスを運行し、トイレ増設などを計画している。市の担当者は「受け入れ環境をさらに良くして、宮島の魅力を向上させたい」と話している。

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