【動画】全国一のカキの生産量をほこる広島県 今年は水揚げの解禁時期が3週間後ろ倒し=山中由睦撮影
広島産カキの生産量が、伸び悩んでいる。今年は生育が遅れ、水揚げの解禁時期を例年より3週間ほど遅らせる「異例の事態」となった。要因は、温暖化による海水温の上昇だが、それ以外の理由もあるという。カキ養殖の現場で何が起きているのか。
波も風も、ほとんどない。11月中旬、瀬戸内海の小さな湾にある安浦漁港(広島県呉市)を訪れた。昔からカキ養殖が盛んな場所だ。
カキ養殖業者「山根水産」の漁船に乗せてもらうと、港を出て3分で養殖のいかだが見えてきた。いかだは長さ25メートル、幅12メートル。学校のプールほどの大きさだという。この海面下に700本以上のワイヤが、7メートルの水深まで垂れ下がる。昨年春にくくりつけられたカキの稚貝が水揚げを待っている。
この海域には、198のいかだが浮かぶ。業者ごとに場所を決めているが、山根周志社長は「一番人気は河口付近。プランクトンが豊富で、身が大きく育つ」。同業者が廃業して河口近くのいかだが空いたときは、くじ引きで決めている。
死ぬカキの割合、過去は1割程度だったが
インドネシアからの技能実習…