長崎・広島の両被爆地で開かれるリレーシンポジウムについて説明する長崎県保険医協会の本田孝也会長=2024年4月18日、長崎市、小川崇撮影
  • 写真・図版

 広島の「黒い雨」体験者と長崎の「被爆体験者」の課題を共有しよう――。広島の原爆投下後に降った黒い雨をめぐる訴訟と、長崎原爆で国の指定地域外にいたために被爆者と認められていない被爆体験者の訴訟の支援者らが12日と26日、長崎と広島を結ぶリレーシンポジウムを開く。共通する論点や課題について話し合う。

 放射性物質を含む「黒い雨」をめぐっては、広島高裁が2021年、援護対象区域外で黒い雨を浴びた住人らを「原爆の放射能による健康被害を否定できない」として、被爆者とみなす判断を示した。国は判決を踏まえ、22年4月から、広島で黒い雨に遭った人を被爆者と認定する新基準の運用を始めた。

 一方、長崎原爆で被爆者と認定される範囲は南北に細長い。その域外にいた「被爆体験者」は、爆心地から被爆者と同じ距離で原爆に遭っていたとしても、国は「被爆地域外で雨が降った客観的な記録がない」ことなどを理由に、被爆者と認めていない。県と長崎市を相手取り被爆者認定を求めた訴訟の判決が、今年9月9日に長崎地裁で言い渡される予定だ。

 リレーシンポは、それぞれの…

共有
Exit mobile version