2024年12月の阪神ジュベナイルフィリーズで人気薄のスリールミニョンを5着に導いた永島まなみ騎手=京都競馬場

 中央競馬の女性騎手が活躍の機会を着実に広げている。日本中央競馬会(JRA)の元騎手、藤田菜七子さん(27)がデビューしてから約9年。現在、女性騎手は6人に上り、競馬学校の門をたたく女性も増加している。

  • 藤田菜七子がいたから、競馬は変わった 功績に見合わない残念な最後

 藤田さんがデビューしたのは、2016年春。当時は「唯一の女性騎手」であり、新たな女性騎手が生まれたのは16年ぶりのことだった。その年の騎乗数は294。その後、後輩が次々に誕生したことで女性の騎乗総数は拡大し、21年は延べ785(3人)、22年には1556(4人)へ倍増。24年は、23年の2395(6人)には及ばないものの、2208(7人)を記録した。

 これだけ女性騎手が増えた背景には、藤田さんが残した圧倒的な実績がある。

女性騎手として道を切り開いた藤田菜七子さん=2021年

 JRAに初めて女性が誕生したのは、1996年だった。以来、00年にかけて計6人がデビューした。だが、思うように勝ち星を伸ばせず、騎乗依頼は年々減少。目立った活躍ができないまま引退し、2013年には女性騎手が一度ゼロになった。

 ただ、藤田さんは別格だった…

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