財務省の解体を訴えるデモに参加した女性。自作の赤いプラカードを持参した=2025年2月15日、東京都千代田区、田辺拓也撮影

 普段の週末なら閑散とする東京・霞が関の官庁街。段ボールの手作りプラカードを手にした数百人が「財務省はウソつきだ」と声をあげる。

 2月15日午後3時。その数日前から、X(旧ツイッター)などでは、財務省の前で「財務省解体デモ」を開催する情報が流れていた。

 「取材ですか」。話しかけてきたのは、埼玉県在住の男性(45)。呼びかけた一人だという。

 特定の団体に所属しているわけではない。TikTokなどで切り抜き動画を配信している。以前、別のデモに参加。SNSで知り合った男性と「自分たちもやろう」と盛り上がった。

 「政府が大企業を優遇し、しわ寄せが弱者に来ている。責任の一端が財務省にある」と感じている。

 就職氷河期に世に出た「ロスジェネ」の世代だ。30近くの非正規の職を経験し、3年前にようやく正社員に。「結婚も諦めた。ホームレスと紙一重だった」

 SNSで政治について調べ、「オススメ」で流れてきたのが、「財務省解体論」だったという。

「裏で財務省が操っていると知った」

 財務省前では月に数回、こうしたデモが開かれている。いつ、どのように始まったのか。

 一昨年9月から10回以上続…

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