臨海部の埋め立て地に、巨大なリング状の建造物が描かれたイメージ図がある。来年開催の大阪・関西万博にも見えるが、実は1996年に東京臨海副都心で開催されるはずだった世界都市博覧会のあるエリアの完成予想図なのだ。幻の都市博に関わった2人の建築家は、今回の万博をどう見ているのか。
「リングに囲われた広場に人が集まる。桜の下の幔幕(まんまく)のように、丸く仮設的に囲うことを考えていた」
都市博の「青海1地区」でリングのデザインを手掛けた建築家の伊東豊雄さん(83)は、こう振り返る。
344億円という建設費が話題の大阪・関西万博の大屋根(リング、藤本壮介さんデザイン監修)も、多様な世界がつながる象徴とされ、「集う」という意味で伊東さんの言葉と重なる。
伊東さんは今回の万博には…