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即席サイン会を開いたオリックスの岸田護監督=2025年2月16日、SOKKENスタジアム

 元オリックス球団職員で、現在はフリーアナウンサーの大前一樹さん(63)と、朝日新聞スポーツ部のオリックス担当が対談する「オリいったお噺(はなし)」。春季キャンプが始まった宮崎で、大坂尚子記者と語りました。

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 大坂 球春到来です。キャンプを見ていて、大前さんのイチオシは誰でしょうか。

 大前 選手はあまり変わらないので、やはり岸田護・新監督でしょうか。選手に監督の呼び方を聞いたら、福田周平選手やラオウ(杉本裕太郎)が「監督と言わなあかんのでしょうけど、マモさんです」と。

 大坂 現役時代もファンや選手たちから、下の名前の護(まもる)から「マモさん」と呼ばれていましたもんね。

 大前 監督も「それでええよ」と言うてらっしゃるんでね。選手たちは「マモさんのために優勝したい」と言っている。人望だと思います。

 大坂 雨で練習試合が中止になった時は約1時間半の即席サイン会を実施。長蛇の列を見て、今もファンに慕われているなと。新人だった2006年からオリックス一筋で、引退後の20年から昨季まで投手コーチ。チームを知っているとはいえ、「(監督の重圧を)ひしひしと感じている」と話していました。

 大前 今年からは投手だけでなく全体を見ないといけないですからね。「答えのない問題をずっと考えている」状態だそう。

 大坂 速球派右腕のドラフト2位の寺西成騎投手(日体大)は即戦力の期待もあると思いますが「そんなに焦らなくていいと思っている」と、段階を経て試していくことを示唆。新人はキャンプでも結果を求めたくなると思いますが、その辺の配慮も感じます。

 大前 ドラフト1位の麦谷祐介外野手(富士大)も、もっと(そばで)見たいと思うけどB組で、紅白戦で使う。徹底しています。

 大坂 現役時代から見てきて、変わっていないところはありますか。

 大前 今でも、ぼそっと冗談を言うことでしょうか。

 大坂 そういえば、練習試合が雨天中止になり、開口一番に「誰かいますよね、雨男が」と切り出していました。「監督ですよ」とツッコミを求めていたのでしょうか。

 大前 監督になって頻度は減ったかもしれないけど、冗談を言いながら和ませるところは変わらないですね。どういう戦いをするかはオープン戦が始まってから徐々に見えてくると思いますが、新監督の動きに注目したいです。

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