記者団に謝罪の方針を説明する伊藤信太郎環境相=2024年5月8日午後0時5分、東京・霞が関の環境省、市野塊撮影
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 水俣病患者らの団体と伊藤信太郎環境相との懇談の場で、環境省がマイクの音を切り団体側の発言を遮った問題は、政府与党からも批判が相次いだ。

 「マイクを切るなんて言語道断だし、役所の思い上がり以外の何ものでもない。被害者をないがしろにしている」

 自民党三役経験者は環境省の対応を厳しく批判したうえで、伊藤氏の振る舞いについても「なぜ一言、『時間はいいから、最後まで話を聞こう』と言えなかったのか。それだけ問題意識も薄かったのだろう」と語った。

 岸田政権と距離を置く自民ベテラン議員は「国民の方を見ていないのが明らかだ。岸田政権の国民への姿勢という認識になってしまう」とバッサリ。政府内からも環境省の対応について「話を聞くために行っているのに、上から目線」(内閣府幹部)と厳しい声が出た。

 岸田文雄首相は、政治信条に「聞く力」を掲げてきた。閣僚が出席する会合で正反対の言動が飛び出したことは、政権の大きな痛手になりかねない。

 自民党派閥による裏金問題で…

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