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岩屋毅外相は18日の記者会見で、3月に米国で開かれる核兵器禁止条約の第3回締約国会議への日本政府のオブザーバー(傍聴)参加を見送る方針を正式に表明した。
岩屋氏は、日本は戦後最も厳しい安全保障環境に直面しているとして「核による拡大抑止が不可欠」と強調し、「核禁条約は核抑止と相いれず、オブザーバー参加すれば、わが国の核抑止政策について誤ったメッセージを与え、平和と安全の確保に支障をきたす恐れがある」と語った。
日本政府の不参加は3回連続。岩屋氏は、核保有国も加盟する核不拡散条約(NPT)のもとでの核軍縮が「より望ましい」と強調。核保有国や核の傘のもとにある国と、核抑止を否定する国との「分断がある」と指摘し、日本のオブザーバー参加で「分断の中でNPTの取り組みに広範な支持を得ることが困難になる」と語った。
石破茂首相は一時、政府のオブザーバー参加を見送る代わりに自民党議員の派遣を検討していたが、自民は4日、派遣しない方針を表明。公明党は過去2回の会議と同様に、単独で同党議員を派遣する予定だ。