観光列車を見送る米子鉄道少年団のメンバーたち=2018年撮影

 【鳥取】鉄道少年団という組織をご存じだろうか? 10歳以上18歳未満の子どもなどでつくるJRグループの関連団体で、山陰地区では「米子鉄道少年団」が活動中だ。最近では新型車両の特急やくものバリアフリー設備試乗会で、障害者の方の乗降の手伝いを行った。

 公益財団法人「交通道徳協会」が1960年に、公徳心豊かな少年少女の育成を目的に現在の鉄道少年団を設立、米子では89年に結成された。

 現在の米子鉄道少年団長は元JR西日本職員である野室郁夫さん(82)。退職後の2008年に面倒見の良い人柄などを買われて団長に。団長就任時にメンバーは小学生から高校生まで約30人が所属していた。

 団員たちの活動は主に三つ。駅や海岸の清掃などの奉仕活動、観光列車の出発式参加や運転シミュレーション体験などの実践活動、大山登山やキャンプ、クリスマス会などのレクリエーション活動だ。

 団員の一人である高校生は「年齢に関係なく好きな鉄道の話をしたり、普通ではできないような体験ができたり……。いろいろな人たちと関わるのでコミュニケーションや社会常識などいろいろなことが学べます」と魅力を話す。

 中にはそのまま鉄道業界に就職する人も。副団長の松本隼(しゅん)さん(27)もその一人だ。現在、JR西日本山陰支社で電気設備の保守管理業務を行っている。「鉄道施設の見学や業務体験を通じて、素晴らしい仕事であることに気づくことができました」

 しかし、コロナ禍で活動を自粛するとともに団員募集も中止。そのため、現在の団員は6人にまで減った。団では昨年暮れから活動を再開するとともに、駅などにチラシを貼って、団員の募集を始めている。

 野室さんは「鉄道に関する知識を得られるだけでなく、活動を通じて社会規範や人とのつながりなども学ぶことができます。女性も大歓迎です」と話している。

 連絡先はJR西日本中国統括本部駅業務部(082・261・1791、平日午前10時~正午、午後1~4時)へ。(斉藤勝寿)

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