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山梨学院―駿台甲府 一回表山梨学院、宮川の中前適時打で二塁走者田村が生還して先制。捕手森谷=2024年10月5日、山日YBS、池田拓哉撮影

 第77回秋季関東地区高校野球山梨県大会(県高野連主催)は5日、甲府市の山日YBS球場で準決勝2試合があり、山梨学院と帝京三が勝って、6日の決勝進出と、26日から神奈川県で開かれる関東大会への出場を決めた。秋の関東大会出場は、山梨学院が4年連続14回目、帝京三が2年連続5回目となる。

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 我慢の投球だった。先発して7回まで投げ、9四死球を与えた。ボール先行で苦しみ、満塁の走者を再三背負った。

 1点リードの二回には、2死走者なしから4連続四球で同点に追いつかれた。「ふがいない投球だった」と悔しがった。

 一方、要所を締めて12三振を奪った。計3イニングで満塁のピンチに立たされながら、失点を2に抑えた。外角へのチェンジアップ、内角へのスライダー、力強い直球を駆使してしのいだ。

 「ピンチは大好きで、『ここで抑えればチャンスになる』と考えていた」。自分がさらに一歩成長できる場面だと信じ、楽しんで投げられたという。

 幼い頃に脳出血を患い、右半身にまひが残っている。野球は両親に勧められ、リハビリの一環として小学1年から始めた。「野球は全身運動だからリハビリにいいと思い、続けてきたらここまで来ました」

 横浜市出身。地元・神奈川県で開かれる関東大会で、支え続けてくれている両親にプレーをみてもらうのが楽しみという。「制球の精度を高められるよう練習します」と笑顔で誓った。(池田拓哉)

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