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【動画】岩手県大船渡市内で消火活動をする消防士たち=総務省消防庁提供
26日に発生した岩手県大船渡市の山林火災は延焼が続いている。総務省消防庁によると、山林での消火は市街地での活動と異なり、消防車が火元付近まで近づけないなど特有の難しさがあり、鎮火まで時間がかかるケースがある。
山林火災の消火は、地上と空中から役割分担して進める。空での活動の主役はヘリコプターだ。機体の大きさや積む燃料の量に合わせ、大きなバケツに数百リットルの水を入れ、現場に運んで散布する。大船渡市のケースでも、地上部隊から給水支援を受け、ヘリが消火活動を続けている。
ただ、ヘリには様々な制約もある。飛行速度が遅く、風もない場合は、大量の水を散布すると、水が塊となって落ちるため、下に民家があったり、消防隊員が活動したりするエリアへの散水はできない。また、風の強さによっては、散布した水が霧状になったり、目標に的中させるのが難しく、安全上のため、日没のほか、風が強い日や霧が濃い日には活動できない。
また、消火に海水も使うこともあるが、機体が浴びた海水はさびの原因となり、機体の整備のため、次の出動までに時間が掛かる。
地上では消防車が放水し、民家などへの延焼を防止する。隊員がタンクを背負って、消火することもあるが、火の勢いが強い場合は、退避しながらの活動となり、今回のような急斜面では活動自体が難しいという。
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