延焼が続く山林火災の現場。日中は見えづらい炎が浮かび上がった=2024年5月5日午後9時44分、山形県南陽市、兼田徳幸撮影
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 山形県南陽市の秋葉山(標高561メートル)で4日に起きた火事は6日も鎮火に至らず、朝から消火活動が続いている。この日正午時点で判明した焼失面積は約135ヘクタールと、5日夜時点(95ヘクタール)より延焼範囲が拡大。自衛隊ヘリや消防隊などによる散水が行われているが、鎮火のめどは立っていない。

 6日は午前5時から消火活動が始まった。南陽市などによると、自衛隊ヘリ5機と秋田県防災ヘリ1機の計6機が出動し、上空から散水を継続。地上からも消防団など約300人が交代で消火にあたっているという。

 南陽市によると、山頂を境に東西エリアに延焼範囲が広がっている。担当者は「昼夜で風向きが変わることもあり、徐々に飛び火して、尾根伝いに広がっているようだ」とみる。

 南陽市の向山公園野球場から発着する自衛隊のヘリコプターの様子を見ていた市内の会社員の男性(62)は「4月下旬は(隣町の)高畠町で焼けていたのが、今度は南陽になってしまった」と話した。「夜には山が赤く見える。心配になってくる」と、早い消火を願っていた。

 通行人から119番通報があったのは4日午後0時50分ごろ。「山の中腹で煙が見える」との内容で、地元消防が消火活動を始めた。この火事で70代の男性1人が足にやけどを負ったが、命に別条はないという。このほか、山頂にある山小屋と、トイレ2棟が焼けた。南陽市は5日夕、住宅にも延焼する恐れがあるとして、周辺の148世帯の410人に公民館などへの避難指示を出した。

 避難指示が出ている地区の一…

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