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タカアシガニの標本を掲げる南方啓司さん(左)と三木憲一さん=2024年8月26日、和歌山県かつらぎ町志賀、大野博撮影
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 和歌山県かつらぎ町にこの夏、手作り感満載の博物館がオープンした。その名も「山の中の海の博物館」。イベント好きの男性2人の出会いが、山あいの古民家で海を感じられる不思議な空間を生み出した。

 博物館があるかつらぎ町志賀地区は、同町中心部から高野山方面に10キロ余り入ったところにある。

 古民家を活用し、カフェなどが入る「カントリーサイドタウンF LAND」の6畳の和室に、様々な海洋生物の標本が所狭しと並ぶ。

 すべて有田市在住の南方啓司館長(59)が所蔵するコレクションで、軽トラックで往復して運び込んだ。

 ひときわ目を引くのが、巨大なタカアシガニ。現生の節足動物のなかでは最大の種といい、「生きた化石」とされる。

 水深100~300メートル前後の砂地の海底に生息しており、紀伊水道で底引き網にかかったものを南方さんが入手し、標本にした。

 「たくさんとれる駿河湾(静…

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