2025年1月15日、ソウル近郊の拘置所に移送される尹錫悦大統領(中央)。聯合ニュース提供=AP

 内乱などの容疑で19日に逮捕された韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領が、21日に憲法裁判所で開かれる弾劾(だんがい)審判に出廷すると弁護団が明らかにした。弁護団はその後も原則として尹氏がすべての弁論に参加する意向だとしている。

 弾劾審判は国会で弾劾訴追された尹氏の罷免(ひめん)の可否を判断するもので、21日が第3回の弁論期日になる。過去に大統領として弾劾訴追された盧武鉉(ノムヒョン)氏、朴槿恵(パククネ)氏は出廷しておらず、尹氏が出れば初めてになる。

 一方、合同捜査本部に加わる高位公職者犯罪捜査庁(公捜庁)は20日午後、同日午前の出頭要請に応じなかった尹氏を強制的に拘置所から連れ出そうとしたが、尹氏は応じなかった。

 15日に拘束された尹氏は同日の取り調べで供述を拒否し、16日以降は取り調べ自体に応じていない。

 公捜庁は19日には尹氏に対し、弁護士以外との面会を禁止する措置も取った。証拠隠滅を防ぐためとみられている。

 また、聯合ニュースによると警察は20日、大統領警護庁などへの家宅捜索に乗り出したが、警護庁に拒否された。

 また、尹氏に逮捕状が出たことに憤った支持者らがソウル西部地裁に乱入するなど、支持者らが18~19日に起こした一連の事態で警察は20日、90人を拘束し、うち66人の逮捕状を申請していると明らかにした。

 警察によると、逮捕状の申請は地裁の庁舎に侵入した疑いで46人、地裁の塀を乗り越えたり、警察官に暴行したりした疑いで10人、地裁を出た公捜庁の車の進行を妨害するなどした疑いで10人となっている。庁舎への侵入者の中にはユーチューバーが3人いるという。

 拘束した90人は10代から70代まで幅広いが、うち20~30代が51%を占めているという。

 地裁は外壁やガラス窓、パソコン、机、監視カメラのデータ保存装置などが壊され、被害総額は6億~7億ウォン(約6500万~約7500万円)にのぼるという。

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