大統領公邸周辺に集まり、尹氏の拘束に反対の声を上げる支持者ら=2025年1月15日午前4時6分、ソウル、河野光汰撮影

 「非常戒厳」を出したことをめぐり、内乱などの容疑で捜査を受けていた韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領が15日、拘束された。韓国で初めてとなる現職大統領の拘束は市民の目にどう映ったのか。

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 大統領公邸周辺では連日、尹氏支持者が集結。この日は平日にもかかわらず、警察の非公式の推計で集まった支持者らは6500人に上ったとされる。支持者の男性(71)は「大統領は米国との関係を強化し、安全保障面での体制を強化した。(最大野党の)共に民主党に国を任せれば(安保は)崩壊する」と憤った。

 しかし、ソウル市内では拘束を支持する声が目立った。

 「あれから43日も経っている。遅すぎるとは思いませんか?」。会社員の女性(34)はそう口をとがらせる。昨年12月3日の非常戒厳に腹立たしさを覚え、尹氏が拘束されるまでの日付を数えたという。「一日も早く自分から責任を取ってほしい」と、憲法裁判所の決定を待つのではなく、尹氏自ら辞任することを求めた。

 デザイナーの女性(36)も「ついにここまで来た、という感じ。市民たちが戦った結果だ」と話す。大学教員の50代の男性は、「なぜこんなにも多くの人が大統領を支持しているのか不思議でしょうがなかった」と首をかしげる。

 女性会社員(25)は「永遠に続くような対立を招いた大統領も野党も支持できない」と嘆息しつつも、「(非常戒厳に反対する)市民が国会に集まったあの日(昨年12月3日)の答えが、今日の結果だったんだと思う」と話した。

拘束令状の執行 54%賛成、反対45%

 世論調査会社リアルメーターが8日に発表した世論調査結果では、尹氏に対する拘束令状の執行に約54%が賛成だったが、反対も約45%に上った。韓国では世代間によって政治スタンスが異なる傾向があり、60代以上は政治的な立場が保守寄りな人が多いとされている。

 与野党の支持率は拮抗(きっ…

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