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 韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領が出した「非常戒厳」に関する捜査や憲法裁判所での弾劾(だんがい)審判をめぐり、尹氏の弁護側は23日、捜査よりも弾劾審判の手続きが優先されるべきだとする尹氏の立場を明らかにした。捜査当局は、尹氏に25日に出頭するよう要請しているが、応じない可能性を示唆したとみられる。

 聯合ニュースによると、尹氏の弁護団結成にかかわる石東炫(ソクドンヒョン)弁護士は23日、捜査を受ける者が捜査機関に意見を言えないこともありうるとし、「主な舞台は憲法裁判官が参加する公開の法廷にならなければならない」と述べた。

 一方で、憲法裁が27日に最初の弁論準備手続きを設定し、答弁書などの提出を求めていることについては、十分な準備の時間が必要だとの認識を示し、弾劾審判の進行に不満を示した。

 尹氏は憲法裁が送付した弾劾審判関連の書類の受け取りを拒否しているが、憲法裁は23日、書類が受領されなくても効力は発生するとし、27日の弁論準備期日は予定通り行うとした。尹氏側が参加するかどうかが注目される。

 一方、警察当局が23日に明らかにしたところによると、非常戒厳の事前謀議に参加したとされる軍の元情報司令官の手帳に国会封鎖や政治家、メディア関係者の拘束を示唆する表現があることが判明したという。

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