絵を描くポヨヨン太郎さん=鹿児島市

 鹿児島市の小学生画家ポヨヨン太郎さん(11)=本名・西村太郎=が、福岡県田川市美術館の公募展・タガワアートビエンナーレ「英展」で初めて入賞した。大人を中心に268人が出品した361点の中から大賞、準大賞に次ぐ優秀賞(3点)に選ばれた。「うれしかった」と話し、画業の励みにしている。

 受賞作は「ちんちんまんだら」。半紙ほどの大きさの和紙にちんちんをモチーフにしたキャラクターを描き、縦に6枚、横に6枚並べて台紙に縫い付けた作品。3週間ほどで描き上げたという。3人の審査員のうちの一人、美術家の田島征三さんは「一つ一つのグレードが高く、バリエーションも豊か。ちゃんと曼荼羅(まんだら)になっている」と評価した。

 太郎さんは4歳ごろから絵を描き始めた。母親(50)が家族の介護で忙しかったときにペンと紙を渡して、「これで遊んで」と勧めたのがきっかけだったという。

「品がない」と指摘受けても…

 流儀は「描きたいときに描く」。人間やカッパ、動物などが入り交じった、独自のキャラクターをつくり出している。ミニコミ誌「ハチロクニュース」の表紙も担当し、毎月奇想天外なキャラクターを描いている。時には「品がない」といった批評を受けて落ち込むこともあるが、こうした指摘は表現を洗練するきっかけにもしているという。

 好きな漫画家は藤子・F・不二雄と手塚治虫。画家では田島さんに影響を受けているかもしれないという。専門的に絵を習ったことはなく「自由に描く」というのも流儀だ。

 今回で4回目になる英展で、太郎さんは優秀賞以上の受賞者の中で最年少だった。2022年の前回は入選。今年10月に田川市美術館のHPで受賞を知った時は「何かの間違いでは」と一瞬思ったが、その後は「とてもうれしくて跳び上がった」。友だちや近所の人に電話したり報告しにいったりしたという。

 絵はこれからも続けていく。「世界一の絵描きになりたい」という野望を持っている。(宮田富士男)

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