かねや太鼓が鳴り響く中、赤鬼に扮する小学生=滋賀県湖南市東寺5丁目

 地域に伝わる伝統行事に触れようと、滋賀県湖南市立石部南小学校の6年生約40人が20日、長寿寺(同市東寺5丁目)に伝わる「鬼走り」を体験した。

 鬼走りは、室町時代にはすでに始まっていたとされる。国家の安泰や無病息災を願い、毎年1月に行われる。行事のクライマックスで、かねや太鼓、ほら貝を鳴り響かせ、太刀ややりなどを持った赤鬼と青鬼を追い払う。かつては15歳の男児が鬼役を務め、成人式を兼ねていたという。

 数年前から、長寿寺の藤支(ふじし)良道住職(52)が石部南小学校に呼びかけ、体験してもらっている。この日、子どもたちは鬼の役や太鼓、かねをたたく役を分担。本堂内に太鼓の音などがとどろく中、鬼役が堂内を走り回った。

 赤鬼を演じた中武ひまりさんは「お面が重く緊張したが、貴重な体験ができた」と話した。(松浦和夫)

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