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リヒテンシュタインの国旗(日本の外務省のホームページより)
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 欧州の小国リヒテンシュタインを舞台にした「節税スキーム」に、日本の国税当局が「待った」をかけていた。国税の課税処分からは、人口4万人足らずのこの国に、日本を含む各国の富裕層が注目してきた理由が浮かぶ。

 リヒテンシュタインはオーストリアの西隣に位置し、日本の外務省によると、小豆島(香川県)ほどの広さに約3万9千人(2020年末時点)が暮らす。世界で唯一、君主の家名を国名に冠する国だ。

 関係者によると、日本のある居住者が、リヒテンシュタインに資本金3万スイスフラン(約500万円)を出資して「財団」を設立した。財団は、経済的助成を必要とする人たちへの寄付などが目的とされた一方、約8千キロ離れた米フロリダ半島の南東にあるバハマに法人を所有していた。

 このバハマの法人は額面で総額約22億円相当の公社債を持っていた。日本の国税当局は23年3月、これらの公社債から生じた利子や償還益は、リヒテンシュタインの財団を設立した日本の居住者が税務申告すべきだった、と指摘。過少申告加算税を含めて所得税を追徴課税(更正処分)した。どういうことか。

取引の秘匿性が高いと言われてきたリヒテンシュタイン。ただ、今回の課税処分の経緯からは必ずしもそうとは言えない事情も透けて見えます。

 バハマは外国企業の誘致のた…

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