全国チェーンの書店で勤務するかたわら、読者会や古本市などを長野県松本市で続けてきた男性が脱サラし、中心市街地に小さな本屋を開いた。店名は「ブックス エコーロケーション」。自らが発する音波の反響で、周囲の状況を知ること――。そんな意味を持つ言葉を自分の店の名前につけた。
松本城から東に約700メートルほどの幹線道路沿い。信州大松本キャンパスにも近い松本市女鳥羽1丁目に、「エコーロケーション」はある。23平方メートルほどに、SF小説や地元・松本を扱った本を中心に約2千冊。代表の月元健伍さん(40)が得意とする分野だ。児童書や絵本のほか、「舟を編む」(三浦しをん)など妻の佳里菜さん(30)が選んだ本もある。
月元さんは岡山県出身。島根大に在学中は書店でアルバイトをし、卒業後は全国チェーンの書店に就職した。配属先は縁もゆかりもない松本市で、退職するまでの17年間、松本周辺の店舗で働いた。
人と語り合うことで「新たな発見」が
本を通じて知り合いを増やそ…