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ボリビア・サンフアンの移住地での食事風景。陸稲を栽培し、自分たちで食べていた。市場で売れるほどの量が収穫できておらず、生活は苦しかった=1963年、ボリビア、中谷吉隆さん撮影
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 20世紀、日本から多くの移民労働者が渡った南米で、日系人の暮らしを取材した写真家の中谷吉隆さん(87)が60年あまりの時を経て、今度は日本に住む日系人たちの姿を伝える写真展を開催する。二つの取材を経ていま何を思うか、話を聞いた。

  • 中谷さん撮影の写真とともに、当時の日系人の暮らしを振り返ります

 きっかけは1961年に読んだ小さな新聞記事だった。「夢やぶれた五家族 ドミニカ移民帰国」。50年代後半、中米のドミニカ共和国に渡った日本人移住者が、政府から約束された優良な農地をもらえず帰国する様子を伝えていた。「移民って、なんなんだろう」。中谷さんは疑問に思った。ペルーへの集団移民が初めて到着した1899年から60年あまりが経っていた。広島で生まれ、すぐに中国・天津へ渡った自身の経験とも重なった。

 「これは自分のテーマになるかも」。南米で暮らす日系人を取材することを決意した。

■「なんでこんなところに」 …

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