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対局に臨む佐藤天彦九段(右)と永瀬拓矢九段=2025年3月4日午前10時3分、東京都渋谷区、杜宇萱撮影
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杉本昌隆八段の棋道愛楽

 卒業式シーズンです。ある日、中学校の卒業生たちが公園に集まって写真を撮っている場面に遭遇しました。学校の先生を取り合うかのように交代で写真を撮ったり、童心に戻って鬼ごっこをしたりする卒業生。皆、満面の笑みを浮かべてこの一瞬を楽しんでいました。

 3月に入ってからの将棋界は激動です。まずは名人挑戦者を決めるA級順位戦のプレーオフ。永瀬拓矢九段と佐藤天彦九段の決戦は、死闘の末に永瀬九段が勝ちました。

 順位戦の各クラスも次々と終了です。私が所属するB級2組順位戦は、昇級の三つ目の枠を伊藤匠叡王が手に入れました。

 このクラスで降級点が付くのは6人。大混戦の結果、5勝5敗で大人数が並び、順位最下位の私が不幸の切符?を手に入れて降級となりました。

 現行制度において、勝率5割の降級はおそらく私が初めてではないでしょうか。不運の新記録とも言えますが、将棋の内容にも最終成績にも納得しており、残念がる理由もありません。これが自分の実力と認め、来期C級1組順位戦を戦います。

 その翌日はB級1組順位戦で…

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