通算1400勝を達成した谷川浩司十七世名人=2025年1月15日午後11時8分、大阪府高槻市の関西将棋会館、佐藤圭司撮影

 将棋の谷川浩司十七世名人(62)が15日、通算1400勝の記録を達成した。故・大山康晴十五世名人(1433勝)、羽生善治九段(1577勝)に続く史上3人目の達成となった。

 この日、大阪府高槻市の関西将棋会館であった第83期名人戦・B級2組順位戦(朝日新聞社、毎日新聞社主催)8回戦で郷田真隆九段(53)を破り、1400勝目を挙げた。終局直後、谷川十七世名人は「本当は、去年のうちに(達成したい)とは思っていたんですけども、(昨年)11月、12月が成績も悪くて、内容も良くなかったですから。今日の将棋も少し苦しかったと思うんですが、勝負手が、なんとか功を奏したのかな、と思いますが……」「40代を過ぎてから勝てなくなって、かなり(勝つ)ペースも若い頃より落ちてきてますが、それでも、一つ区切りをつけられたのは、ちょっとホッとします」などと話した。

 谷川十七世名人は神戸市出身。中学2年生だった1976年12月にプロ入り。得意の詰将棋を原動力とした終盤での強さは「光速の寄せ」と称されるように。83年6月には、当時史上最年少の21歳2カ月で名人に。最年少記録は、2023年6月に藤井聡太名人・竜王(22)が20歳10カ月で名人になって更新されるまで、40年間破られなかった。

 1995年1~3月の第44期王将戦七番勝負では、阪神・淡路大震災で被災しながら、当時の七冠全冠制覇を目指した羽生当時六冠の挑戦を4勝3敗で退け、話題を呼んだ。97年には、名人獲得通算5期で永世名人の資格を得た。2022年から十七世名人を名乗る。

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