富山福祉短期大学などを運営する学校法人浦山学園(富山県射水市)は、同市内に4年制大学「高志(こし)大学(仮称)」を設立すると発表した。経済経営学部の単科大学で、定員は95人。同市三ケの同短大キャンパス内に新校舎をつくる。2026年10月に文部科学省に大学新設を認可申請し、28年4月の開学を目指している。
新大学は、「地域における経済活動を主体的かつ創造的に実践できる人材育成」を掲げ、職業人教育に力を入れる。新大学設立後、同短大は、高志大短期大学部として存続させる。学長には、地域活性化に詳しく、高祖父が旧小杉町長を務めるなど富山に縁がある日本総合研究所主席研究員、藻谷浩介さん(60)が就任する。
同学園によると、大学進学時に地元に残る残留率(23年)は、富山は19・7%で、石川の47・8%、福井の32・0%と比べても北陸で最も低いという。10日、富山市での記者会見で、藻谷さんは「富山で学びたい人が県外に出ざるをえない状況はおかしい」。また、浦山哲郎理事長は、若者の県外流出に「受け皿となる大学にしたい」と語った。
必要な資金は14億円を見込み、11億円を浦山学園が負担し、残る3億円を寄付や企業版ふるさと納税などで集めるとしている。
県内で4年制大学の新設は、県立大と富山国際大が開学した1990年以来。新田八朗知事は「心から歓迎したい。高等教育機関は県の活力を支え、発展の礎となる重要な場所である。県としても必要な支援を行う」との談話を出した。