NPO法人「情報公開クリアリングハウス」の三木由希子理事長=本人提供
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 自民党派閥の裏金事件を受けた政治資金規正法改正案では、政治資金収支報告書のデジタル化が盛り込まれた。透明化が進むのかと思われるが、長年、国会議員のカネの流れをチェックしてきたNPO法人「情報公開クリアリングハウス」の三木由希子理事長は懸念を示す。どのような懸念があるのか、聞いた。

 ――収支報告書のオンライン提出・公表の義務化によって透明性が上がるのでしょうか。

 「オンライン提出の仕組みは20年ほど前に努力義務として始まりました。紙を電子化する程度のレベルです。PDFファイルの山を築いてバラバラに公開する仕組みで、そこが変わらなければ現状から一歩も変わらず意味がないでしょう。オンライン提出を義務化すれば、デジタル化に対応できるかというと、そうはなりません」

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 ――何が必要ですか。

 「オンライン提出された収支の詳細をデータで誰もが入手できれば、私たちでもデータベースをつくれます。ただ、データの取得はできても、それを誰もが閲覧できるデータベースとして公表することはできません。個人情報保護法によって、申し出があれば個人情報を削除しなければならないからです。やはり基本は、行政がデータベース化を進めるべきです」

 ――データベース化や検索機…

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