対北朝鮮制裁の「多国間制裁監視チーム」発足の行事で話すキャンベル米国務副長官(中央)=2024年10月16日、ソウル、貝瀬秋彦撮影

 日米韓など11カ国は16日、国連安全保障理事会決議による対北朝鮮制裁の実施状況を調べる「多国間制裁監視チーム(MSMT)」を発足させたと発表した。安保理のもとで監視を担っていた「専門家パネル」が、ロシアの拒否権行使で4月に活動を終えたため、日米韓などが代替となる枠組みの構築を急いでいた。

 安保理傘下の専門家パネルと比べ、有志国による組織では制裁違反を抑止する実効性の低下が否めないとの指摘が出ているが、まずは11カ国で早期に監視の空白を埋めつつ、国際社会に幅広く参加を呼びかけていく。

 専門家パネルは2009年に設置され、北朝鮮の制裁逃れや核・ミサイル開発状況を調査。年に2回、安保理に報告書を提出し、北朝鮮がサイバー攻撃で巨額の資金を得ていることを指摘するなど、監視の目を通じて制裁の実効性を高めようとしてきた。

実効性に課題「最初の一歩」

 しかしウクライナ侵攻の長期…

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