インタビューに応じる野口健さん=2024年6月17日、山梨県大月市、池田拓哉撮影
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 7月1日に山開きを迎える富士山で、山梨県は登山者数の制限や通行料の義務化をスタートさせる。富士山のオーバーツーリズム(観光公害)に警鐘を鳴らし続けてきた登山家の野口健さん(50)に入山規制への期待や課題を聞いた。

 ――山梨県がこの夏、富士山の登山者数を1日4千人以内とし、ゲートを設けて夜間の入山を制限します。通行料2千円の強制徴収も始まります

 驚きました。私は、富士山が世界文化遺産に登録される前から、通行料の徴収も含めた入山規制を訴えてきました。登山道やトイレの大変な混雑やごみ問題は、登録以前から深刻でした。でも、山梨県内で入山規制が語られることは長らく「タブー中のタブー」だったんです。

「警備員の指示に強制力を」

 ――なぜですか

 富士山に対する山梨県の観光…

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