写真・図版
山頂付近に雪がかかった富士山。出勤した市職員が6日朝、市庁舎8階から撮影したという=静岡県富士市提供

 今季の「初冠雪」が観測されない状況が続いている富士山で6日、山頂付近が雪で覆われた。静岡県側や山梨県富士吉田市では雪化粧した姿が確認される一方、山頂から約40キロ離れた甲府地方気象台からは雲で確認できず、130年の観測史上最も遅くなることが確実となっている「初冠雪」はまたお預けとなった。

 富士山の北東側のふもとに位置する山梨県富士吉田市は6日、市独自の「初雪化粧」を宣言した。2006年の開始から最も遅い記録となったこの日、一瞬のチャンスを逃さずに山頂の雪を確認したといい、市職員らは「待ちに待った宣言ができて、ほっとした」と胸をなで下ろした。

 初雪化粧宣言は、市富士山課の職員が市内から富士山に雪が積もっているのを目視で確認して発表する。これまで最も早かったのは21年の9月7日、最も遅かったのは17年の10月26日だった。

 担当するのは、羽田(はだ)正利・富士山担当課長ら3人だ。9月以降毎朝、午前5時過ぎに起床して、まず自宅で富士山の様子を確認。雪があったら、すぐに決められた撮影スポットに散らばり、登庁前に写真を撮る手はずも整えていた。早朝の方が空気が澄んでいて、条件が良いからだ。

焦る担当者、静岡では見えているのに…

 ネットで山頂やふもとの気温や天候を確認しながら、きょうか、きょうかと宣言できる日を待ちわびていたという。

 ただ、6日は少し様子が違っ…

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