富士トラム構想について山梨県からの説明を受けた後、報道陣の質問に答える堀内茂・富士吉田市長=2024年11月26日、市役所、豊平森撮影

 富士山登山鉄道構想を断念して、山梨県が新たに打ち出した新交通システム「富士トラム(仮称)」構想について、同県富士吉田市の堀内茂市長は26日、「反対する理由はない」との認識を表明した。

 市は自然破壊などを懸念して登山鉄道構想に強く反対してきたが、線路を敷く大規模開発が回避されたことを受けて大きく歩み寄る形になった。

 この日、富士トラムを担当する山梨県の和泉正剛富士山保全・観光エコシステム推進統括官が市役所を訪れた。冒頭以外は非公開で、堀内市長に直接、富士トラムのPR動画も使いながら約30分にわたって説明した。

 堀内市長は終了後に報道陣の取材に応じ、ゴムタイヤで走る「富士トラム」について、市が登山鉄道の対案として導入を主張してきた自動運転EVバスと「同じようなものかなとの印象を持った」と評価。「自然を崩すことなく最小限での輸送案が出たことはよかった」と述べた。

 さらに、これまでに長崎知事から「(富士トラムの)通年営業はしない」「五合目に大規模ホテル、高級ホテルをつくるとかはしない」と説明を受けたとして、「大きく反対する理由はない」と明言した。

五合目開発やトラム通年営業で、知事の認識と食い違いも

 一方で、富士トラムの実用性…

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