瀬戸内7県を拠点とする「STU48」から、マレーシア・クアラルンプールに結成される「KLP48」へ、甲斐心愛(ここあ)さん(20)は「完全移籍」することを決めた。
- 違う空の下でも忘れない…「KLP48移籍」甲斐心愛さんの思いとは
5月18日、広島市の広島文化学園HBGホールで開かれたSTU48のコンサート。ダブルアンコールで「壮行会」が始まった。
「自分の実力がどれくらいあるかはSTU48しか知らないとわからないし、外の世界も見てみたいなと思っていました。そんなときにKLP48ができたと知って、『よし、一度外に出てみよう』と思って移籍することを決断しました」
会場を埋めるファンとメンバーが見守る中、甲斐さんは、決意の言葉を続けた。
「STU48とKLP48を兼任する選択やレンタル移籍という選択もあったんですけど、人生を賭けてKLP48のオーディションを受けたメンバーとこれから出会うにあたって、私もそのメンバーと同じラインに立って、同じ目線で人生を賭けてクアラルンプールで全力で頑張りたいと思って完全移籍を選択しました」
オーディションを受けて加入するメンバーたちと同じように、退路を断って挑戦する。その気持ちを力強く宣言したあと、ファンに感謝の思いを伝えた。
「STU48を応援してくださる皆さんが、ただの中学生だった私をアイドルにしてくれて、ここまで成長させてくれて、育ててくれて、本当に感謝の気持ちでいっぱいです」
13歳でSTU48に加入し、約7年間過ごした。たくさんの苦労を味わいながら成長した日々を胸に、海を渡る。そんな思いを込め、最後にこう宣言した。
「過去など忘れてとか、過去を置いてという言葉もありますが、私は過去も全部持って行って、抱きかかえて、全力で羽ばたいてきます!」
STU48のメンバーとして最後のパフォーマンスに選んだ楽曲は、旅立ちをテーマにしたAKB48の「ジワるDAYS」だった。
「心愛コール」で包まれる会場。曲の終盤、甲斐さんが「ここからはみなさんが歌ってください」とマイクを客席に向けた。
《君の瞳から涙があふれたら 世界のどこにいたとしても 僕が全力で駆けつけてあげる だから心配しなくたっていいんだよ》
ファンの歌声に見送られるように、甲斐さんは用意されたキャリーバッグを手に「行ってきます!」とステージを去った。
6月1日、正式にKLP48のメンバーとなる。広島から約4700キロ離れた異国の地で、第二のアイドル人生が始まる。(小松隆次郎)