つくばエクスプレス=2023年7月3日午前11時19分、埼玉県八潮市、原田悠自撮影
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 東京・秋葉原と茨城県つくば市を結ぶ、つくばエクスプレス(TX)の利用者数が、新型コロナ禍前を下回ったままだ。感染症法の5類移行から1年余。沿線人口は増えているのに、利用者の戻りが鈍い背景には、何があるのか。(原田悠自、鹿野幹男、福田祥史)

 茨城県守谷市のTX守谷駅。6月半ばを過ぎた水曜日朝7時、多くの人が足早に改札口へ向かう。秋葉原行き上りホームでは、この駅始発の電車を待つ人の列が、ホームの反対側の端まで延びていた。

 運行する首都圏新都市鉄道によると、守谷は昨年度1年間の乗車人数が1日平均2万3758人で、TXの県内の駅で最も多い。ただ、2019年度に比べると1801人少なかった。通勤・通学定期券の利用者が減っているといい、コロナ禍を経て、在宅やリモートでの勤務の増加など、生活スタイルの変化が影響しているとみられる。

 駅まで徒歩10分ほどの住宅街に自宅がある40代の男性は、週5日のうち3日は在宅で仕事をする。東京都内にある勤務先まで、コロナ前は毎日、TXとJRを乗り継ぎ、1時間20分ほどかけ通っていた。やはりTXで毎日出勤していた妻も今は、週2日は在宅勤務だ。

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