
それぞれの最終楽章 父を看取って(8)
朝日新聞記者 佐藤陽
これまで父のことをずっと書いてきたが、父が亡くなる直前、今度は妻の父(当時85)に異変が起きていた。
- 「それぞれの最終楽章」一覧はこちら
昨年3月25日の夕方、妻が買い物から帰る途中、携帯電話が鳴った。義父が入居する岐阜県の介護施設からだった。「発熱があり、在宅医に診てもらったら、お父さんの心臓がいつ止まってもおかしくないそうです」
妻は思わず「うちの父ですか?」と聞き返した。看取(みと)り段階の僕の父のことがあり、混乱したらしい。
義父は若いころ心臓弁膜症を…