宝塚歌劇団(兵庫県宝塚市)の宙(そら)組の劇団員の女性(当時25)が昨年死亡した問題で、歌劇団は14日、再発防止策として3月末に発表していた組織改革の進捗(しんちょく)状況を公式ホームページに掲載した。
すでに実施していた興行数・公演回数の削減などに加え、劇団員らの活動時間の管理強化のため、宝塚大劇場の楽屋口に入退館時間を記録するセキュリティーゲートを新たに設置。歌劇団を運営する阪急電鉄の内部監査部に歌劇団担当を配置し、定期的に業務監査を行う体制を整えた、としている。
また、外部有識者によるアドバイザリーボードを4月25日に初めて開き、現状の課題や対策、改革の進捗状況を説明。今後、阪急電鉄や阪急電鉄の親会社である阪急阪神ホールディングス(HD)のガバナンス体制の強化、歌劇団の体制・ルール・システムの整備、劇団員の意識改革を促す取り組みなどについて助言を受けることを確認したという。
歌劇団をめぐっては、宙組に所属する劇団員の女性が昨年9月、宝塚大劇場公演期間中に宝塚市内で死亡しているのが見つかった。歌劇団側は今年3月になって、上級生(先輩劇団員)らによるパワーハラスメント行為を認める合意書を遺族側と結び、謝罪したことを明らかにした。その記者会見で、パワハラや長時間労働を防ぐための組織改革を発表していた。