西京―宇部鴻城 延長十回裏無死二、三塁、宇部鴻城の三牧の左犠飛で三走の原口が生還=30日、絆スタジアム、三沢敦撮影

 宇部鴻城2―1西京

 春季山口県高校野球大会(県高校野球連盟主催、朝日新聞社など後援)は30日、決勝戦が岩国市の絆スタジアムであり、宇部鴻城がサヨナラ勝ちで西京を破って7年ぶり3回目の優勝を果たした。6月1日から広島県の鶴岡一人記念球場などで開かれる中国大会に出場する。宇部鴻城は昨夏の山口大会で優勝し、秋の中国大会で4強に進んだ。

 西京ペースで進む試合の流れが変わり始めたのは0―1で迎えた七回裏。宇部鴻城の先頭、上田一輝選手(3年)が左翼線へ抜ける二塁打を放つと、犠打で三塁に進み、小林栞大(かんた)選手(同)が打席に入った。

 控えの投手だが、準々決勝に続いて先発を託され、七回途中から右翼に回っていた。「粘り強く投げられた」と手応えを感じながら、悔しさもかみしめていた。二回に3連打を浴びて失点したからだ。

 「挽回(ばんかい)したい。おれの一振りで絶対に追い付いてやる」。振り抜いた打球は中前へ。同点とし、塁上で拳を高く突き上げた。

 「相手は上り調子だ。全員野球で向かってくる。勢いで負けないように」。そう話し合って臨んだ決勝。だが、西京の杉岡隆太投手(2年)に要所を締められ、毎回のように安打を放ちながらあと1本が出ない。「結果がほしくて縮こまっているぞ。せっかく決勝まで来て小さな野球はするな!」。尾崎公彦監督の一言が、チームを奮い立たせた。

 試合を決めたのはタイブレークにもつれ込んだ延長十回裏。三牧琳太郎主将(3年)の犠飛だった。「どうにか勝てたけれど、思うように力を発揮できなくて苦しかった」と三牧主将。今の実力では夏の連覇は遠いと感じている。「反省点がいっぱいある。攻守に磨きをかけ、まずは中国大会で結果を残したい」(三沢敦)

共有