同じ大阪府でも、北部と南部ではお互いのことをよく知らない。そう思った北部の大学生と南部のハム会社が、それぞれの特産を生かした新商品を生み出した。
茨木市にある追手門学院大経営学部の3年生17人は、マーケティング論を教える朴修賢教授のゼミ生だ。
昨年、朴教授の知人の紹介で、羽曳野市に工場や直営店などがある食品メーカー「タケダハム」と、商品の企画からパッケージデザイン、販売促進までを授業で手がけることになった。
まずは工場見学に出かけた。羽曳野市は食肉加工、ワイン醸造が盛んなことが分かった。
ひるがえって、自分たちの地元は。調べてみると、茨木市は山あいの見山地区の赤シソが特産だという。
夏休み。商品を具体的に考えるため、オンライン会議を開いた。そこで、常識にとらわれない意見が出た。
中村瑠依(るい)さん(21)が提案した。「ハムをワインに漬け込んだらどうなるんでしょうかね」
「チーズは?」
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「ん?」。朴教授は反応しき…