4月に開かれた加藤善一郎教授の医療連携による不登校対策についての講演を聴く美濃市内の全小中学校の教職員ら=2024年4月16日午後3時27分、美濃市立中有知小学校、鈴木裕撮影
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 不登校の専門医と連携し、学校を「安心できる居場所」にすることをめざす岐阜県美濃市の「あんきに行ける学校プロジェクト美濃」が2年目に入った。不登校の子どもや保護者との医療相談・診療や、教職員を対象にした研修会などで培った1年目の実績をもとに、さらなる充実を図る。

医療的にアプローチ 学校側とも共有

 プロジェクトは、小児神経専門医として20年以上、不登校や発達障害の子どもの外来診療にあたってきた岐阜大大学院の加藤善一郎教授(小児科学)を「不登校支援アドバイザー」に迎え、昨年4月にスタートした。「あんき(安気)」は、心に苦しみがないという意味の方言から取った。

 昨年度は、面談による医療相談を7回開催。全教職員向けの講演会や若手教職員向けの研修に加え、保護者を対象にした相談説明会を市内の小中学校5校で開いた。また、ICTを活用し24時間態勢の「ほっとライン」も開設。保護者と医師間でのメール相談や、教師チームと医師で情報共有・事例検討を行うオンラインチャットも行えるようにした。

 市教育委員会によると、昨年…

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