女子トイレの個室には、生理用品の入った箱(左)が置かれている=2024年12月10日午後1時50分、広島県府中市立第一中学校、遠藤花撮影

 経済的な理由で生理用品が買えない「生理の貧困」をなくす取り組みが広がっている。内閣府の2023年調査によると、全国の小中学校の多くが、生理用品を自由に使えるよう提供している。多くの自治体がトイレに置いていると答えたが、保健室だけに置くところも少なくない。〝保健室派〟が多い広島県内の事例から、対応が異なる理由を探った。

 「生理用品が入っています。必要な人は使ってください」

 府中市立第一中学校の女子トイレの個室には、そんなメッセージが書かれた箱が棚に置かれている。箱の中には、生理用品のナプキン。ある女子生徒(2年)は「こっそりカバンから取り出して、トイレに持って行かなくてすむ」と歓迎する。

トイレ派、広島県内は3市だけ

 府中市教委は市立の小中学校など、全10校の女子トイレすべてと保健室に生理用品を置いている。約3年前、地元の商工会議所から生理用品の寄付を受け、各校に配布したのがきっかけだ。その後、小学5年~中学3年の女子児童、生徒にアンケートしたところ、約3割が「学校で生理用品がなくて困ったことがある」と答え、約8割が学校のトイレに生理用品を置くことに賛成した。

 市は23年度、約20万円を…

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