岩手県立遠野緑峰高校(遠野市)の生徒たちが来年1月下旬、台湾で開催される「遠野市みちのく物産展」に派遣される。地域産業を担う人材を育てようと、遠野市が企画した。生徒4人は学校で栽培した自慢のブランド米や商品を持参し、店頭で売り込む。
物産展は1月24日から3日間、台湾・台中市のスーパー「裕毛屋」で開かれる。持参するのは同高生産技術科の生徒が育てた「緑峰米」と名付けたブランド米300キロ。品種は粘りが強く、冷めてもおいしい「いわてっこ」だ。
学校で育てたリンゴを使ったオリジナルジュース100本も販売する。台湾の物産展向けにパッケージも生徒がデザインした。生徒4人は物産展のほか、スーパーの工場で就業体験にも挑む。1月21日に出国し、27日に帰国する。
4人は面接などの校内選考を経て選ばれた。このうち緑峰米を育てたのは生産技術科2年の菊池勇斗さんと山口寧々さん。農家をめざす菊池さんは「自然が豊かな遠野は米も野菜もおいしい。台湾で遠野の魅力を伝えたい」。山口さんは「米を育てるのは思った以上に手間がかかる。本当においしい自慢の米」と話した。
同科2年の鈴木伊織さんは「初めての海外。難しいことに挑戦したいと応募した」。情報処理科2年の大石勇斗さんは今秋、石川県から和菓子などを仕入れて3日間のチャレンジショップに挑んだ。「仕入れ交渉もやり、商品は完売だった。台湾ではあらゆるものをじっくり観察してきたい」と意気込んだ。
秋の緑峰祭で販売される生徒たちの農産物は地元の人気商品だ。来年は減農薬、有機栽培にも挑む計画という。新田剛史副校長は「帰国後は報告会も予定している。緑峰の生徒は様々なことに挑戦している。受験生にも知ってもらいたい」と話した。