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2023年度に石川県が公表した学力テストの「結果の概要」。市町ごとに国や県の平均正答率の比較を明示していた
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 全国学力・学習状況調査(学力テスト)で、全国トップクラスの石川県。県教育委員会は、市町ごとに、県内や全国の平均正答率と比べ、「やや上回る」「下回る」「同程度」などと評価し、公表してきたが、今年度からやめることが10日、わかった。「過度な競争につながる」などの批判が出ていた。

 公表は2014年度から続けてきた。この日の県議会開会後の県幹部の会見で、朝日新聞は、今年度の対応について質問。昨年はこの時期に公表されていたためだ。北野喜樹教育長は「例年、各市町の(結果の)状況について公表していたが、今年度は予定はない」と述べた。

 理由を問うと、「そこまで(公表を)する必要があるかどうかは、総合教育会議でも意見を賜った。適切に判断した結果」とした。

 公表を続けてきたことについては、「各市町が自分たちの立ち位置を把握する効果もあった」と話した。

 5月の県総合教育会議では、教員らからなる委員の大半から、「国が否定する、自治体ごとの順位づけにつながる」「意味がない」「他との比較がおかしい」との否定的な意見が続出。かつて、国会議員時代に文部科学相だった馳浩知事も否定的で、県教委の対応が注目されていた。

 この公表をめぐり、馳知事は…

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