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100年以上続く岐阜のローカル線が岐路に立たされている。赤字続きで、沿線自治体が年間約1億円の財政支援をしてきたが、新たに線路など設備維持の負担を求められ、存廃の判断を迫られている。
名鉄広見線(新可児―御嵩)は、岐阜県可児市と御嵩町の田園地帯を走る7.4キロのローカル線だ。
1920(大正9)年に御嵩駅(現在の御嵩口駅)まで開通してから100年以上が経つ。地域の足だけでなく、地元のシンボル的存在にもなっている。
利用者数は1996年度には年間220万人を超えていたが、人口減などで減少に歯止めがかからず、2010年度には100万人を割った。この年から沿線の可児市と御嵩町は毎年計1億円の「運営支援金」を名古屋鉄道に支払い、路線を維持してきた。
また、地元自治体は活性化協議会を立ち上げ、回数券の補助制度の新設や観光客誘致のイベントなど利用客を増やそうと取り組みも続けてきた。
しかし、利用客の約8割を占める通勤・通学定期客の落ち込みが大きく、コロナ禍も重なり、ここ数年は約80万人で推移。年間2億円程度の赤字が続いてきた。
廃線か存続か…町長の結論は
事態が動いたのは昨年夏。2…