Putin Gets a Snub in the Vast Wine Cellars of a Former Soviet Republic
ヒトラーの右腕だったゲーリングは、厳しい訓練を生き抜いた。彼のワインボトルは、第2次世界大戦末期にソ連軍が戦利品として押収したコレクションの一部で、モルドバにある迷路のような地下セラーに保管され、今でも展示されている。
2013年、旧ソビエト連邦構成国のモルドバを訪問した当時のケリー米国務長官に贈られた460本のボトルも、広大なトンネルにある棚に彼の名前で保管されている(米国務省はその価値を8339ドル50セント=約130万円=と報告している。その程度の価値であるために、ケリー氏は現地のセラーに置いたままにしたのかもしれない)。
しかし、国が所有するクリコバワイナリーのワインセラーを2度訪れたロシアのプーチン大統領は、その存在を消し去られた。彼のワインボトルと写真は、モルドバの首都キシナウの北にあるブドウ畑の地下で、75マイル(約120キロメートル)以上にわたって延びる曲がりくねった広大なトンネル施設内の人目につかない場所に移されたのだ。
プーチン氏が22年、モルドバの隣国ウクライナに全面侵攻を開始した後、ワイナリーは「なぜ彼のワインがまだここにあるのかについて、回答できない質問をたくさん受けた」と、ディレクターのソリン・マスロ氏は語った。
- 【注目記事を翻訳】連載「NYTから読み解く世界」
かつて、モルドバワインの最大輸出国はロシアでしたが、近年、モルドバは西側に目を向けています。NYTはワインを軸に両国の関係を解説しています。
プーチン氏のワインコレクシ…