会見する三日月大造滋賀県知事=県庁
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 滋賀県が策定を進めている「子ども基本条例」(仮称)の目的や理念に「保護者の視点」を入れるかどうかをめぐり、審議会の委員と事務局である県との間で意見が割れていることについて、三日月大造知事は7日、「到達点ありきの議論にはしない」と、納得が得られるように話し合いを尽くすことを求めた。同日の定例会見で述べた。

 この条例は、子どもの権利や意見をより重視する県政を目指すために必要として、知事が2022年12月に県子ども若者審議会に諮問。その際、子ども政策を進めるために「大切にしたい考え方」として、「子ども目線」を大切にした政策、子どもや若者の意見の政策への反映などをあげた。

 条例検討部会には10代の委員も参加。議論のなかで「(目的や理念で)子育てや親にフォーカスするのは違和感がある」などの声があった。ほかの委員からも「子どもの権利の保障に絞るべきだ」などの意見が相次いだ。これに対し、事務局の県は「目指すべきゴールが違うところにある」と否定的な姿勢で、10代の委員は「思っていたのと違う」と不信感を訴えた。

 知事はこの日の会見で、「忌憚(きたん)のない意見をもらえるように、県は事務局として努めたい。必ずしも到達点ありきで議論するのではなく、みなさんの納得が得られる形で答申していただけるように努力する」と述べた。

 さらに、条例案に対してのパブリックコメントについて「子どもに意見を寄せてもらえるようなやり方を考えたい」と話した。(武部真明)

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