子どものネット依存などに悩む家族らに、ネットやゲームにはまる息子について話す長野県の女性=2024年、東京都内、本間ほのみ撮影

連載「子どもとSNS」

 子どもたちのSNS依存を防ぐには、どうすればいいのか。オーストラリアのように年齢制限を設けるのか、学校や家庭で教育を広げるのか。日本でも模索が続く。

  • 「ネット依存外来」担当医 治徳大介さんが語る解決法は?

 「生きていけるか分からない」

 長野県に住む女性医師(48)は、中学3年の息子のXのアカウントの書き込みを偶然見つけて、気づいた。「本人も悩んでいるんだ」

 息子が私立中学に入学する時、学習用のタブレット端末を購入した。寝る時はリビングに置く約束をしたが、息子は家族が寝静まると自室に持ち込み、夜通しゲームやネットにのめりこんだ。

 端末を取り上げたいが、授業で使う。自宅のWifiも仕事で使うので切るわけにはいかなかった。

 息子の生活は乱れ、中1の夏ごろから不登校になった。インスタグラムやTikTokなど様々なSNSも利用し、食事中や寝る前もYouTubeのショート動画やゲームの実況動画など、何かしらのSNSを延々と見ている。

コミュニケーションや自己表現の場でありつつも、心身の異常や犯罪に巻き込まれるきっかけにもなるSNS。いま、世界の国々が子どもとSNSの適切な距離感を模索しています。現状と課題を探ります。

「子どもにどう使わせるか、社会で考えないと」

 部屋から時折、ネット上の友…

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