行動力と情熱で人を引き込んでいく人生を、死の間際までまっとうした。

 難病の子どもの夢をサポートする団体「メイク・ア・ウィッシュ オブ ジャパン」の設立間もない1994年。「どうしても職員になりたい」と事務所に日参した。

 その3年前に離婚を機に米国から4人の子どもと帰国。ブティックで働き、生活は厳しかった。団体に飛び込めたのは、再婚した朝男さん(79)が「素晴らしい活動だから大いにやれば」と背中を押したからだ。「僕らのベースにはキリスト教の信仰があったから」と朝男さんは言う。

 98年から18年間、事務局長を務めた。「夢の実現はゴールでなく、次の夢へのスタートライン」。ある母親の言葉を大切にした。夢がかなった子どもは自信を得る。多くの支えのなかで、共に生きていることに気づき、未来に目を向ける。「かわいそうな子どもの思い出を作る活動、ではないんです」と伝え続けた。

 退任後も「おせっかいな種ま…

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