東京科学大学病院のネット依存外来を担当する、治徳大介・同大准教授=2024年12月5日、東京都文京区、宮坂麻子撮影

連載「子どもとSNS」

 子どもたちがSNSや動画に依存しないために、また依存した場合に、どのような対応が必要か。依存する子たちにはどんな特徴があるのか。東京科学大学サイバー精神医学講座の准教授で、同大学病院「ネット依存外来」担当の治徳大介医師に聞いた。

  • ネット依存予防には規制? 教育?

 ――オーストラリア議会が、16歳未満の一部のSNS利用を禁止する法案を可決しました。

一部のSNSだけの年齢制限、有効性は疑問

 「YouTube(ユーチューブ)ばかり見て困る」「TikTok(ティックトック)に夢中になっている」という言葉を、外来を訪れるご家族からも聞きます。ただ、一部のSNSだけを年齢制限することの有効性がどれほどあるかは、正直、疑問です。

 日本では、すでに2歳児の約6割、5歳児の約8割がネットを利用しています。乳幼児期から親のスマートフォンやタブレット端末などで、動画やSNSを見て、ゲームで遊んで育っている。でも、親の管理下から離れる年齢になり、勉強もあるのに、子どもが自分のスマホに夢中になる姿をみると大人は不安になる。

 SNSと動画、ゲームなどの線引きもどんどんあいまいになっています。

 例えば、ゲーム行動症(ゲー…

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