子どもの居場所づくりの取り組みを続ける細川保英さん(右から2番目)と運営スタッフ=2024年3月29日、長野県佐久市、遠藤和希撮影

 学校や家庭のほかにも子どもたちが安心して過ごせる「第三の居場所」をつくろうとする動きが、長野県内で広がっている。地域で子どもを守り育てるだけでなく、子どもにとっても愛着を持てる地域づくりにつなげようとしている。

親が共働き世帯や不登校 集まる子供たち

 「宿題、何かわからないところあった?」。3月下旬、佐久市の岩村田本町商店街にある木造2階建てのコミュニティースペース「おいでなん処(しょ)」に近くの小学校などに通う児童らが集まっていた。

 親が仕事で忙しく家で1人になりがちだったり、発達障害や不登校といった事情を抱えたりする約30人の子どもたちが利用している。子どもたちは元中学教諭の山崎敬子さん(61)ら3人のスタッフやボランティアの高校生と一緒に宿題をしたり、わなげやボウリングで遊んだりした。

 利用できるのは火、水、金曜の週3日。午後3時ごろから親が迎えに来る午後7時ごろまで開いていて、夕食の時間もある。利用料は払える人だけが支払う寄付制で、無料でも使える。

 親が共働きだという児童(12)は開所以来、隣町から通い続けている。「最初は周りの友達となじめるか不安だったけど、いまは家みたい」という。

 中心になって設立したのは地…

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