姫路城=2024年4月、兵庫県姫路市
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 世界遺産・姫路城について、兵庫県姫路市が外国人観光客の入城料を高く設定することを検討すると明らかにした。大阪府も、オーバーツーリズム(観光公害)対策などとして、外国人観光客から「徴収金」を集めることを議論している。外国人観光客と日本人との間で「二重価格」を設定したり、外国人観光客だけに特別の負担を求めたりすることに問題はないのか。専門家に聞くと、いくつかの課題が浮かんだ。

  • 姫路城が検討する外国人への「二重価格」 民間にも導入の動き
  • 姫路城の入城料、外国人は値上げも検討 「維持管理費に」市長発言

専門家2人が指摘するポイント

導入例は主に途上国で、先進国ではまれ / 窓口での国籍確認に実効性があるのか / 姫路城は行政が管理。営利目的の民間とは異なる / 外国人だけの負担をどう説明するのか

二重価格の多くは途上国や新興国 城西国際大・佐滝剛弘教授(観光学)

 ペルーのマチュピチュ遺跡やインドのタージマハルなど、海外で自国民と外国人観光客で二重価格を設けている例はあります。ですが、その多くは発展途上国や新興国で、先進国ではほぼ聞いたことがありません。

 フランスのルーブル美術館は…

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