家庭用の電子レンジが国内で発売され間もなく60年。性能は飛躍的に進化してきました。開発の歴史を振り返りつつ、自分のライフスタイルに合った活用法を見つけてみませんか?(大坪実佳子)
電子レンジはどのようにして誕生したのか。
一般社団法人「日本電機工業会」などによると、1945年にアメリカの「レイセオン社」で、レーダー装置の実験中にポケットに入っていたチョコレートがマイクロ波で瞬間的に溶けたのをきっかけに開発が始まったという。
レンジを製造するシャープ、東芝、パナソニック、日立といった大手メーカーによると、以前は庫内の皿が回る「ターンテーブル」が主流だった。だが、掃除がしづらく、長四角の弁当などは庫内に引っかかって皿が回らなかったことなどから、20年ほど前から庫内に皿がない「フラットタイプ」が販売されるようになった。
近年は食材が温まったかどうかを感知するセンサー技術も向上し加熱ムラは少なくなったものの、冷凍のものは「やや苦手」。レンジで使われているマイクロ波は氷より水の方が温めやすく、温度が上がりやすい外側が温まると、その部分が局所的に加熱されてしまうからだ。
ムラを防ぐには、真ん中をく…