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妊婦と助産師のオンライン面談の様子=MamaWell提供

 東京都品川区は2025年度から、妊婦一人一人に対して専属の助産師(パーソナル助産師)が産前産後のサポートをする「オンラインMy助産師事業」を独自に始める。新年度当初予算案に約2300万円を計上した。妊婦のパートナーも支援対象とする。

 区によると、心身の状態や生活面に不安を抱えたまま、出産や育児に臨む人が少なくないことや、家事育児の負担が女性に偏りがちな現状を改善するため、導入を決めたという。「My助産師」は森沢恭子区長の選挙公約の一つだった。

 導入を予定しているのは、パーソナル助産師とヘルスデータによる妊婦の伴走型サポート「MamaWell」。区主催の女性向けビジネスプランコンテストで、昨年グランプリを受賞したアイデアをもとに事業化した。利用料は区が全額負担する。

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 妊婦は腕時計型のウェアラブル端末を身につけて生活。連動するアプリに記録される心拍数や活動量、睡眠時間などの入力内容をもとに、助産師が運動量や健康状態についてフィードバックする。

 また、2週間に1度、オンラインで面談するほか、チャットでいつでも助産師に相談できる。妊娠期からパートナーも面談可能だが、区独自のコンテンツとして、産後は最近注目されるようになったパートナーの「産後うつ」予防のため、パートナーのサポートを主軸に切り替えることもできるという。

 対象は妊娠中から産後3カ月の10カ月間で、女性とそのパートナー300組。4月から申し込みを受け付けるという。

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